社会福祉法人大阪市淀川区社会福祉協議会について教えてください。
阪急三国駅から徒歩8分のところにあります。「淀川区在宅サービスセンターやすらぎ」という3階建ての建物の中にあり、区民のみなさんからは「やすらぎ」の愛称で親しまれています。 現在は1階に地域包括支援センターと居宅介護支援事業所、2階に高齢者デイサービスセンター、3階に総務課と地域活動推進部門がはいっています。職員は常勤やアルバイトを含め約60名が働いていて、それぞれのフロアーで担当業務に当たっています。
この仕事にすすんだきっかけはなんでしょうか?
そもそも“福祉”に興味をもったのは、中学生の時に、当時の「精神薄弱者更生施設」にボランティアとして施設の夏祭りの手伝いに学校から行ったことでした。
その時は精神薄弱者(知的障害者)の方に対する知識などなく、その姿、言動に戸惑い、ただただ『怖い』としか思いませんでしたが、時間が経つにつれて彼らのことが気になるようになり、高校に進学してからも県が主催する「ボランティア養成講座」の受講や、高齢者施設などでのボランティア体験を通じて、次第に『福祉』への関心が高まっていきました。
大学ではもっと広い意味での“福祉”を学び、子どもから高齢者まで、障がいをお持ちの方もそうでない方も、「このまちを離れたくない」、「このまちで生活したい」と思えるようなまちづくりを進める仕事をしたいと思うようになり、地域福祉の推進を図っている社会福祉協議会への就職を目指すようになりました。
最初のきっかけは『怖い』という感情からだったんですね。今でも『怖い』と感じることはありますか?
今でも、たくさんの方と接っしていると、時々『怖い』と感じることがあります。
それは、その方の考えがわからない時です。不安から漠然と『怖い』と感じます。
だからこそ、様々な方法でコミュニケーションを図り、その人がどのような考えや思いをもっているのか理解しようと努力しています。
具体的にどのようなお仕事なんでしょうか。
“地域”にかかわる仕事をしています。“地域”というのはおもに小学校区単位の“小地域”のことを指し、淀川区には18の小地域があります。
その地域でボランティアさんが中心となって取り組まれている「ふれあい喫茶」、「子育てサロン」、「高齢者ふれあい食事サービス」などの“サロン活動”や、個別の見守り活動などの支援を行っています。
また、ボランティアコーディネーターと連携し、区内の小中学校の「福祉教育」の内容を考えたり、車いすやアイマスクなどを使って福祉の体験講座などを行っています。
さらに地域福祉アクションプランを通じて、区民のみなさんが集えるイベントなどを住民の方と一緒に企画し実施しています。
“福祉活動専門員”という職種は他の専門職員と一緒に、地域の福祉ニーズに応えていく、“福祉の何でも屋さん”みたいなところがありますね。
本日、この後に同行させていただくのが中学校の「福祉教育」というわけですね。今日は、一体どういうことをされるんですか?
今日は、車いすの体験講座をします。
おおきく二つの内容にわかれていて、ひとつは車いすの説明を行い、実際に学生たちに乗って体験してもらいます。
もうひとつは、普段から車いすにのって生活されている方に直接お話をしていただきます。
福祉教育をされる中で、浜辺さんが感じたように福祉の仕事に対して興味をもたれたりする学生さんたちもいるのでは?
そうですね、中学校の授業の一環である「職場体験」でここにこられた学生さんたちも数名いました。
他の職場もあるのに、ここを選んで体験にきたということは、何か興味をもたれたからだとうれしく思っています。
ですが、私たちが福祉教育を行うのは、福祉の仕事に興味をもってもらうということだけではなく、高齢者や障がいをお持ちの方への理解を深めて、「誰に対しても優しく接することができる人」になってほしいという願いがあるからです。
お仕事で、苦労されたことはありますか。
地域にかかわる仕事をしていて一番難しいと感じるのは、住民の方と行政の間に立っているということです。
地域活動の主な担い手はその地域で生活または働いている住民の方々です。
しかしながらその活動の財源の一部は公費から出ており、活動に対して一定の制限や決まりを設けています。
そのような状況でわれわれ社協職員は住民と行政の間に立って双方の思いを調整する“パイプ”の役割を果たさなくてはなりません。
行政機関には実際に活動されている住民の思いや苦労を、住民の方には行政機関の思いや一定のルールづくりに対する理解を求めて、説明やお話をさせていただき納得していただくことは本当に難しいと感じています。
では逆に、やりがいを感じるところはありますか。
仕事を通じていろんな人と出会い、いろんな話を聞き、いろんな考えや思いに触れることで、自分にとってすごくいい影響を受けているなと感じています。 それと今、福祉教育にかかわることができ、自分がそうであったように、小学生や中学生のみなさんに“福祉”や“人間”に興味をもってもらえるようなお話や企画を考えることが難しくも楽しいと感じています。 “人は人からいい影響を受けて、また人にいい影響を与えられるんじゃないかな”と思っています。
学生時代の勉強や経験で役に立っていることを教えてください。
私が大学に入学した時は、まだ4回生はおらず、また1学科しかなかったので大学内もゆったりとした雰囲気でした。
講義も新しい教室で、先生と近い距離で聞くことができたので講義の後でも、先生に話を聞いたり、相談にのっていただくことができました。
また、カリキュラム編成がゆったりとしていたので、自分のペースで学べ、部活動やボランティア活動、自分の興味のあることに取り組む時間ができたことが良かったと感じています。
小学校1年生から始めたサッカーも続けることができ、1回生の時には『サークル活動』であったものを、2回生の時に『サッカー部』として関西学生リーグという公式リーグに登録し、1年間リーグ戦を戦いぬきました。
戦績としては散々なものでしたが、部活動を通して、「部活動とアルバイトの両立」、「チーム内や対外的な人間関係のつくり方」、「運営面での資金調達」などを経験したことは何よりも大きかったと感じています。
当時も部活動を通じてできた友人と、一緒に児童養護施設などでボランティア活動を行っていましたが、入学して10年以上たった今でも、そのメンバーでサッカーやフットサルのチームをつくり、練習や試合をしたり、それぞれの仕事や携わっている分野の話を交換できたりすることは何よりの財産です。
今後の夢や目標がありましたら教えてください。
念願の社協職員となり、見るもの聞くものすべてが刺激的で毎日楽しく仕事をしています。
地域住民の方に気軽に声をかけていただけるようなそんな関係を作っていきたいですね。
最近になってやっと仕事のコツもつかみ出し、それとともに福科大のことを考えるゆとりも出てきました。
現在は、職場内で社会福祉士の実習担当者として福科大の実習生を受け入れたり、仕事や研修などで福科大の卒業生とお会いしたりすることが多くなり、改めて福科大に進学して良かったなと思うようになりました。
今後、卒業生も各方面で活動して大学の知名度もあがっていけば嬉しいですし、もちろん自分もその役割を担っていきたいと感じています。
また、仕事とは別に社会福祉士として自己研鑽を続け、いつか後進の育成にかかわる仕事をしたいと思っています。








